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わが国では、「がんゲノム医療提供体制」が整備され、一度に多数の遺伝子の解析を行うがんゲノムプロファイリング検査(パネル検査)が診療に実装されています。しかし、現在、保険承認されているゲノムプロファイリング検査は、「治療選択」を主な目的として遺伝子が選別されているため、小児がんの診断や予後予測に用いる遺伝子が十分に搭載されているとは言い難いのが現状です。

小児がんは、年間2000から2500例程度しか発症しませんが、非常に種類が多く、診断や予後予測に難渋する疾患です。このたび、日本小児がん研究グループ(JCCG)/日本小児血液・がん学会/国立がん研究センター/国立成育医療研究センターのメンバーから構成される「小児がんパネル開発ワーキングチーム(WT)」が設置され、その連携のもと、小児がんにより適したTodai OncoPanel 2(TOP2)検査が開発されました。

今回の「小児固形腫瘍に対するゲノムプロファイリング検査の臨床実装に向けた実行可能性を検討するための多施設共同前向き観察研究【JCCG-TOP2】」では、診断・予後予測目的も含めたがんゲノムプロファイリング検査として、このTOP2検査を小児がんに実施し、今後の全国規模での臨床実装に向けた実行可能性と意義を検討することを目的としています。

みなさんの力を結集して、オールジャパンの小児がんに対する「がんゲノム医療提供体制」をより実りのあるものにしてゆきましょう。

国立成育医療研究センター
小児がんセンター長   松本 公一